夜。タカがベッドに横たわっていると、コンコンとドアがノックされた。


「どうぞ」

タカが声を掛けると、パジャマ姿のナナが、申し訳なさそうな顔をしながら入って来た。手に大きな枕を抱えて。


「どうかしたのかい?」

「うん。あの……一緒に寝てもいい?」

「おやおや、一人じゃ寂しいのかな?」

「それもあるけど……」


ナナは口ごもり、恥ずかしそうに頬を赤くした。


「いいよ、おいで」


ナナはコクリと頷き、タカが掛け布団をめくると、そこへ遠慮がちに入って来た。


「明かりを消してくれる?」

「暗いのは嫌いじゃなかったか?」

「いいの。今夜は……」

「わかった」


タカがリモコンで明かりを消すと、部屋は窓からの月明かりだけになった。