「たっちゃん、

今日ね美奈子が数学の教科書と

国語の教科書間違えたの」


後ろ姿に投げ掛ける

「それは大変だったね」

少し笑ったような達也の声

「うん、だからね私が見せてあげたんだ」

ふーん。達也が相づちをうつ

「今日たっちゃん、体育バスケだったね」

「そうだったね」

にこにこしながら千郷が続ける

「校庭から見てたんだあ、

たっちゃんかっこよかったね」

「…そうでもないよ」

あとあのこ、千郷の口は止まらない

「里中くん!」

「ふーん」


少しトーンが変わる