「友香!やっと来た!よかったぁ。今までどうしていたの?」



友香は結局、6日休んで登校して来た。


ちなみに今日は、終業式。



「ちょっと、夏カゼ。」

「「ありえないだろ」」→直人×悠樹君



いやまぁそうだろうけど、ダイレクト過ぎるよ2人とも。



「なんか文句あんの?」

「「いいえ!めっそうもない!」」←直人×悠樹君



今日は暑い。


教室には冷房がかかってるけど、外に出れば暑苦しいセミの鳴き声にぴったりの気温だ。



『おーい。お前ら早くホール行けよー。冷房かかっているから暑くないぞー。』



中年の特Aクラス担任の声が最後まで教室に残っている私達にかかった。


やる気のない声。


成績さえ残せば何一つ文句は言わないのだから、扱いやすい大人なんだけどね。



「もー。終業式なんて教室のテレビで中継やればいいじゃん。進歩しねーな聖華。」



直人はひんやりしていて気持ちいいのかどうか疑わしい机にへばり付いていた。



正直、新種のアメーバっぽい。


「そんな事言っている直人の思考回路が1番進歩してないんじゃないの?」


とにかく、ホールに何がなんでも連れて行かなきゃ。


「あー。言えてるなそれ。」

さすが友香。意図を察してくれた。


「ほんと進歩しないねぇ…」


本音だろうなこの人は。


「え!?ここは同意してくれるところじゃないの!?」




「「「ない。」」」



「うぅ…」


「ほら行くよ。わがまま言わない。」


「えー…」


「い・く・の!!」



―キーンコーンカーンコーン…



うそっ予鈴!早く行かないと。


危機感を感じた私達3人はぐーたら魔王・直人を担ぎあげて走り出した。


どうか、入口で教師に捕まりませんように。