いけない。


またリムジンしか空いてなかったからって、


どうして呼んでしまったのだろう。


今はたださほど目立たない程度である我が家のリムジンに感謝だ。



「悠樹君ごめんね。送ってもらっちゃうなんて。」


「いいよ。帰りに僕の家に寄ってくれるお礼だし。それより、体調は?」


「うん。もう平気。ありがとね運んでくれて。」

「どういたしまして。」


なぁ花音。君は真実を知ったらどう思うかな?


あれから上杉は、落ち着いてからすべてを話し出した。



『私が、情けないから、こんなことに…』


違う。


悪いのは彼女じゃない。

理屈は分かるんだ。




―『信じられないな…てことは、お前の父親が命令した可能性もあるわけだ。』



『…!』


『よせ、ここで争う事じゃないぞ。騒ぐなら、出てけ。』


『先生…』―




直人はたぶん、上杉信じる事はないだろう。



僕は彼女が悪いわけじゃない事は頭で分かっていても、


口にそう出すのは安っぽいし、身体が本当かと疑念をもっていた。



『悠樹様。着きましたよ。』


「ありがとう。花音?起きて。」


なんか静かだと思っていたら寝てたのか。


「ん…?着いたの?」


「着いた。行こう。遅くならないうちに。」



ねぇ、君はどう思うだろう。


こんどこそ、壊れてしまうのかな…