そんな話を、昨日した。

「彩野ー?」


「んー?」


だが当の本人はそれどころじゃないらしい。


まぁ当たり前だ。


あの上杉友香が5日も学校を休んでいるのだから。


「彩野!」


とにかく、約束をとりつけなくてはいけない。


「え?何?」


「今日ね、うちの継母がこの前のお詫びがしたいから、家に来て欲しいって。


今日、大丈夫?」



「うん…大丈夫。」


彩野が席を立った。しかもなんだか足下がふらついている。



大丈夫かなぁ…ほんとうに。


―ど さ り …―


『彩野さん!?大丈夫?』


嘘だろっ…!


そこには倒れていて動く気配のない彩野がいた。

「彩野!」


よく見たら、汗をかいていて顔色も悪い。呼吸も浅かった。


「保健室に連れて行こう。僕、行ってくるから、先生にそう言っといてくれる?」



『あぁ。わかった。1人で行けるか?』


「大丈夫。いける。」


彼女の体は異常なほど軽くて、


死体の様に冷たかった。