「ねぇ、友香。私、荷造りしなくちゃ。あの家の土地、売るんだって。」


「ッどうして!どうして黙ってるんだ!?


あんなの偽装に決まってるだろ!」



知ってるよ。でも、疲れたのよ。


入院のせいで、お葬式にも出れなかった。


ばいばいする事もできなくて。


毎晩毎晩パニック起こして鎮静剤打たれて。



苦しくて苦しくて。



「いいんだよ。あ…そうだ。学校どうしよう。」


「花音!生活の事は私に任せろ。とにかく、あの女を―…」



「いいのよ!ど…どのみち、あそこは人が死んだ家だから、」


捨てたいの。


なんて、言えるわけがなかった。


「…わかった。なら、これからどうする?」


「悪いけど、今の所友香の家しか頼れない。親戚は、あの人だけだし。」


私は無力だ。


何もできない。



「おう。まかせろ。」


彼女はニッと笑った。



私を見下しているの?


そう言いかけて、ハッとした。


私はなんて最低なんだろう。



勝手な事を言って。


私は迷惑をかけているのに。




こんな自分大嫌いだ。


消えてしまえ。