「え…?」


「だ・か・ら、僕は歌手ユニット『Prince』のショウゴなんだってば!」

何かイライラする。


直人の事、アイドルとしてかっこいいなんて思っているんだろうか。


「えーと、だからショウゴがPrinceで悠樹君がショウゴで…?」


「そうだよ。ちなみに、Princeもウタ☆パラ出るから!ちゃんと見てよ。」


「でもショウゴってロン毛じゃ…?」


あくまで冗談にしたいのか。


「ヅラかぶってるの!バレない様に!」


直人を見ないで。


僕を見てよ。


「悠樹君?どうかしたの?何か変だよ。」


僕はそこでやっと我に返った。


なんて子供じみた独占欲だろう。


…ちょっと反省。


「どうしたの?」


「何でもないよ。でもさっきの事は冗談じゃないから。」


不安にさせちゃいけない。


彼女の前では笑っていたいから。


彼女に、笑って欲しいから。