「あー、じゃ、話を戻そう。何がもういいって?」
「それは…直人に関係ない。」
「本当に?」
あー、なんだ。
結局直人も奥手だったって事か。
私から漏れる事を恐れて私にも相談しなかったんだ…
と、私は目の前で展開される2人の世界を外から黙って、かつ客観的に分析する。
「なぁ、友斗に父親欲しくない?」
「なっ…べっ別に?」
「あーっと…あの、私お邪魔みたいだから、帰るね。」
一生に1度(たぶん)の言葉は、2人きりが良い。
私はあっ!という顔をしていた幼馴染みと親友をおいて退散した。
良かったね友斗。
パパができそうだよ。
ママが意地張らなきゃ良いんだけどね。
「花音!良かった出てきた…」
友香の家の門を通り過ぎると同時に、聞き慣れたトーンの、優しい声がした。
「仕事は?まだたまってるの、あったでしょ?」
「終わらせたよ。マネージャー。」
23歳。
社会人になって1年目。
私は、大好きな人のマネージャーになっている。
芸能事務所社長になるための最初のステップ。
私は今、
プロミュージシャン兼人気ユニットPrinceのショウゴ専任マネージャーになっている……


