振り向くと直人が立っていた。
あんまし変わってない。
昔からのひとなつっこい笑顔。
「よっ。友斗は?」
「昼寝中。」
「なんだ、遊ぼうと思ったのに。」
「直人もヒマね。呆れるわ。」
高校時代よりいくぶん口調が女っぽくなったけど、持ち前の男前な性格は変わっていないから、直人ののんきな発言をにべもなく切り返す。
そんな友香に、直人は肩をすくめて、
「だって友斗は俺と友香が預かった子じゃん。」
「あら、でも友斗はあたしの子であって、直人の子じゃないんだから。関係ないでしょ?」
そう、友斗は1年前、駅で偶然会って話し込んでいた友香と直人預けられた。
知らない女の人から『トイレに行く間預かっていて欲しい』と言われ、預かったは良いが結局母親らしきその女の人は帰って来なかった。
直人は途方にくれたが、友香が母親になる、と言い張り、現在に至る訳だ。


