「「視線が冷たいー。」」
「あたりまえだバカ。」
「どこが当たり前なの！？」
「いろんなところがだ。」
直人がどうしてこんなに好きなのか、私はわからない。
最初は一目ぼれだった。
ホントに、それだけだったはずなんだ。
「友香…？」
「何でもねぇ。んな顔すんな。」
「とりあえずさぁ、成人するまでにその口調直してみたら？」
「るっせぇな前田はあたしの親か？」
「そんな様なものかな？」
「うわっ、てめぇみたいな親なんか願い下げた！」
最近、前田は愛さんに似てきた。
小姑みたいにぐちぐちと文句を言う。
「親みたいなもんじゃないか。大体上杉は打たれ弱すぎなんだよ。人には前に進めだの止まるなだの熱く人生語るくせに自分のこととなると急に失速して勝手に落ち込むのがいつものパターンになってるし………」
「わかったわかった。悪かった。だから黙れ。」
まったく。
うるせぇったらありゃしない。
まぁ、前田の言ってる事も一理あるんだけどな。
