real world



幸せそうな2人が嬉しくて。


でも、苦しくて。



蓋をした。


2度と開けられないように、蓋をした。


予防線をはって、遠ざけた。


何からも、花音に近い存在すべてを。



悠樹も、友香も、花音も、学校も。




「なぁ直人、忘れなくてもいいと思うけど?それに、友香ちゃんはどうなるんだ?」


「タケル、深入り禁止だ。こっから先は、直人の問題だ。」


「直人はさ、ちゃんと闘ってるよ。逃げずに、闘ってるから、ほっといた方がちょうどいいんだよ。」


「お前、見てるのか見てないのかわかんねぇ奴だよな。アキラ。」


「あのさぁタケル…」


「お、どうした直人。」

「重い。どけ。」


「感謝の言葉ぐらい言えよ~。」




誰が言うかこのチャラ男。


タケルはブーブー文句を言いながらも俺の上からどいた。



友香には、悪いと思う。

だけど今は、このままでいさせて欲しい。



せめて、この未練が消えるまで、


この哀しみが消えるまで、



全部終わったら、また一緒に笑おう。



それまでに、クラスが落ちないように、気をつけないと。




『Roseの皆さーん!スタンバイヨロシクお願いしまーす!』




なにせ俺の売りは、インテリイケメンなとこだから。