「僕達は生きてる。時間は止められず、死んだ人を置いて行かなきゃいけない。」 「悠樹…」 「確かに、恋奈は止まったまま、僕らは進む。恋奈は過去になる。でもそれは、恋奈を忘れる訳じゃない。」 悠樹は俺の隣りにしゃがんだ。 恋奈の墓に立っている十字架を見つめながら、悠樹は泣いていた。 サワサワと風が草を撫でる。 ―泣いても、いいよ。― よく、頑張ったね。