〈海斗〉


ねぇ、気付いてる?



俺は、確かに君を想ってたよ。


君に恋して、


君を愛していたよ。




「海斗…?」


「あぁ、なんだ。悠樹か。」


「来てたんだ。」


「まぁ、な。」




恋奈が死んでから、もう1年が過ぎようとしている、夏。


あの忌まわしい事件がつき昨日のように甦る。



恋奈が死んだ日は、雲一つない青空。


その青空の下で、狙撃銃で心臓を一発。



まずこの日本ではありえない殺され方。




「あれから1年か…早いな。」


「そうだな。」




俺達Princeとしての活動はまだ続いている。


さしてテレビに映っている訳ではないのだけど、なぜかRoseと肩を並べるぐらいに人気がある。


それに当分、やめるつもりもない。



恋奈の墓の前に来た悠樹の方を向くと、華奢で美人な女がいた。



たしか、悠樹の彼女で、聖華高校SAクラスでかつ学力は全国No.1。


名前は確か、




「彩野…花音さん、だったけ。」