花音が好きだった。
ずっとずっと、
花音を守るのは俺の役目だと思っていた。
「友香、来ないね。どうしたのかな。」
友香はなぜか今日学校に来ていない。
「無茶してなければいいんだけどね。」
「人の事言えないよ悠樹君。」
「僕がいつ危ないマネをしたっけ?どっかのだれかさんは真夏の部屋の中で安定剤を飲んじゃうなんて自殺行為をしたみたいだけど?」
「うぅ…その話はもうナシにしようよぉ。」
恋人にかける甘い声。
聞きたくない。
やば…
いろいろあったから忘れてたけど、俺絶賛失恋中だった。
「ちゃんと反省してる?」
「してるよ。」
「もう抱え込んだりしていない?」
「だ…大丈夫…だよ。」
そんな声だすなよ。
他の男に聞かせないで。
俺に囁いてよ。
「2人とも自分達の世界に入りすぎ。俺もここにいるんですけどぉ?」
半ば当て擦り気味に声をかける。
くそ、俺の思考は幼稚園児から卒業できてねぇな。


