『―これより、聖華高等学校の始業式を…―』



長い夏休みが終わった。


私はアパートにもどりいつも通りの日常をおくっている。



「なぁ花音。どうしよう。」


「なに直人?宿題終わらなかったの?」


「あー…うんまぁ。じゃなくって!」


「なんだよ早く言えよ。」



直人のあやふやな態度にイラついて友香がせっついた。直人がため息をつく。



「友香さ、この夏も成長しなかったな。」


「遺言はそれだけか?エセアイドル。」


「なっ…エセじゃねぇよ!どっちかっつったら悠樹のほうがエセだろ!?」


「話がわき道にそれちゃってない?」



悠樹君が直人の手首を骨が軋まんばかりに握ったので、直人は苦痛と抗議をこめた目線私にをなげかけた。



「それで?なんなの?」

「詳しいことは後で俺のアパートで言うよ。悠樹は今日仕事は?」


「深夜に一個だけ。トーク番組の収録だって。」

「てめぇは仕事ねぇのか?」


「夏休み頑張ったからね。今日はオフ。」