恋奈が死んだ。


いや、殺された。


病院の外の広場で、サイレンサー付ショットガンで心臓を撃たれた。


背後から。



海斗の目の前で。




「私のせい…?」


「違う。恋奈はもともと狙われていた。僕の読みが甘かったんだ。」


「私のせいなんでしょ!?」



花音はあと少しでも誰かが怪我したら、本当に壊れてしまうかもしれない。


海斗は意外としっかりしているが、あいつは見た目通りな奴じゃないと知っている。


スカイ・ブルーの社長令嬢が殺された。しかも、狙撃でということで、マスコミの恰好の餌食にもなっている。


ある程度押さえてはいるが、いつこっちの『深い』情報まで嗅ぎ付けられるかわからない。



八方塞がりだ。



「花音。大丈夫。僕は離れたりはしないから、ね?死んだりなんかしない。」



とは言っても、このままじゃ僕がまいってしまいそうだ。



これから、どうしよう。


妹の死は、確かに僕に重くのしかかっていたけれど、正直それどころじゃなかった。