―今に見てらっしゃい!!きっと私が合ってるって、解る日が来ると思うわ!―
うるさい。
うるさい、うるさい、うるさい、うるさい!
みっともなく泣きながら俺は事務所が提供してくれた寮へと歩いた。
結局、いくら活躍しても、稼いでいても、俺は子供だった。
欲しい物が手に入らなくて、駄々をこねるだけの、子供だった。
途方もない、無力感。
ごめん。
ごめん。
守れそうにないや。
花音…
「みっともねぇな。直人。」
「うるせぇ。俺はお前みたいにあきらめ良くないんだよ!」
いつの間にか、俺の前には悠樹がいた。
こいつがうらやましい。
大人に認められて、権力がある。
心の広い家族もいる。
花音だっている。
俺の欲しい物、みんな持ってる。
どこで違ったんだろう。
なぁ、
悠樹…


