その脅迫文を見た瞬間、花音は気を失った。


どうして花音がそんな心当たりあるようなそぶりをみせるんだ?


彼女は何も知らないはずじゃなかったのか?



―もしかして、



「なぁ、悠樹。」


「うん?」


「最初から、知ってたのか?」



そうなのか?


最初から、全て。



「…そうらしい。十羽先生に、そう聞いた。『私と初めて会った時には、もう知っていた。』そう言っていた。」


「そん、な!ずっと!ずっと!この1年間ずっと!!隠していたってのか!?」


「上杉、落ち着いて!」

「落ち着けるかッ!」



ずっと、ずっと。


隠して。


黙って。


ボロボロになって。


どうして花音。


今まで、俺何してきたんだろう。


この17年間。


ずっとそばにいて、



ずっと気付いてあげられなかった。




情けないな―…





――ドゴォ!!――