「死亡推定時刻は午後2前後。死因は…おそらく絞殺。ブツはなく指紋も頭髪も足跡も証拠になるような物は一切なし。手際が良すぎる。」



友香の声が遠くに聞こえる。


私達が聞いたあの時の悲鳴は、十羽先生を発見した看護師によるものだった。



十羽先生は死んでいた。


発見現場は空いていた病室。


十羽先生は縛り上げられてカーテンレールから吊り下げられていたらしい。



「どうやって調べたんだよそんなの。」


「昔ちょっと世話してやった刑事から聞き出した。――あらゆる手を使って。」



友香、悠樹君、直人は私を心配して集まって来ていた。


笑わなきゃ。


心配かけられない。


笑わなきゃ。



『友香嬢―。ちょっとよろしいですかー?』


「なんだ?またボコられてぇのか?」


『いーえ。これはおそらく友香嬢達にあてたものだと思うんですけど?どーいう事か説明してもらえませんかねぇ…?』


「あ?なんだよコレ…?」



私はそれを見た。


誰がやったかなんて、簡単にわかった。





そっから先は、覚えてない。