「悠樹。久しぶり…でもないか。ちょくちょく会うしな。」
「仕事終わったのか?」
「あぁ。妹さんの方は?」
「元気。一応は歩けるから、後はリハビリ次第だって。会っていきなよ。腹立たしい事に恋奈は『Rose』のファンだから。」
つい最近、初めてこいつに妹なんて奴がいる事を知った。
第一悠樹が兄なんてイメージはとても持てない。
普段がアレだし。
「恋奈、お見舞いだって。」
「え?誰が来たの?」
「えーと、うん。見た方が早いか…」
すごい恨めしそうな顔をして俺を見る。
いや、俺何もしてないってば。
そんな妹を嫁に出すみたいな顔されても困るって。
「どうも…?」
と病室に顔をのぞかせた途端―
聞き慣れた女の子の叫び声が響いた。


