そう。ここは少年の自室。


他人が入っているなんてありえないのだ。



「どうやってって…お前のお母様に入れてもらったんだよ。お前が気付かなかっただけだろ?」



しれっとした顔で少女は答える。



「…何の用だよ?」


「…別に。腕の良いハッカーを探してて、誰かいないか聞こうと思ったんだけど、その必要なかったな。」



少女はチラッとパソコンを見て、少女らしからぬニヤニヤ笑いを浮かべた。



「…良いの?一応犯罪だぞ?」


「自分ちの会社のコンピューターにどう入ろうと勝手だろ?第一ハッキングしてもらうのは存在自体が犯罪のような『裏メインコンピューター』。たとえバレてもしょっびかれはしないさ。」



「『裏メインコンピューター』…?」


「こいつはあたしの親父も知らない。なにせ上杉の重役達が勝手に造ったもんだからな。」


「それをどうして上杉が?」


「昔パソコンで遊んでた時に見つけたんだ。当時はそんな重要なものなんて思わなかったけど。」

「…いいのか?自分の身内を告発するようなもんだろ?」