「悠樹さぁ、いつから花音の事好きだったの?」


その質問は唐突かつ直球だった。


花音達がコンビニへ昼飯を買い出しに行っている最中。


直人のおばかさんぶりに少々呆れ返っていた頃だ。



「どうしたの?急に。」

「前々から思っていた事。お前って、1人の人間に入れ込むタイプじゃないだろ?」


「まぁ、そうだけど。」

「だから、いつからかなぁって…」



いつから?知らない。気付いたら好きになってた。


花音は、ひとりぼっちだと思い込んでいた僕の心にいとも簡単に入ってきた。


そうして、僕を救い出してくれたんだ。


でも、花音はボロボロだった。


ボロボロなのに、人の心を救い出そうとする。


更に、傷つきながら。


最初は、もういいよって、言ってあげたかっただけなんだ。休んでもいいよって。


ほっとけなくて、関わっていくうちに、気付いたんだ。


自分よりも他人を選んでしまう花音が、



どうしようもなく、



愛しくてたまらないんだって。