泣かないでよ。
どうして花音なんだろう。
なんで?
悪い人間なんて、他にごまんといるだろう?
「ごめんね。友香。」
謝らないで。
「ありがとう。」
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「たっだいまー!お昼買って来たよー!」
「おー。おかえり。早かったな。」
「あ、雪見だいふくがある。僕これ好きなんだ。」
「へー。花音と好み一緒だなお前。」
あれからもう半年以上過ぎた。
花音は少しづつパニックの回数を減らし、入学式には間に合った。
だけどまだ、薬を手放せないでいる。
私達に、『本当』を見せなくなった。
「かーのーん!このレンジってどう使うの?」
「えーと、ここ押したら温められるよ!(多分)」
「多分なの!?」
「うん、多分なのー。」
まぁ、最近例外も出て来たけど。


