てくてくてくてく…


私と花音は近所にあるコンビニに向かって歩いていた。


やっと最近普通にふるまえる様になってきた。


それでもまだ前の様にはできない。


花音が黙っているのにつけこんでいるようで嫌になるときもある。


あの娘が私の変化に気付かない訳ないのだ。


「おー…あっつーバテそうな天気だな。」


「そんな事言って、単に夏が嫌いなだけでしょ?」


「まぁそうだけどさぁ…おっコンビニ到着♪」



外があまりにも暑いからか、コンビニが天国の様に思える。


花音のアパートはみんなが持参した携帯扇風機しかないのもちょっと関係してるかもしれない。



「おー。涼しー!あっ!友香アイスも買わない!?」


「んー、そうだな。あいつらどうする?テキトーでいいか?」


「直人はモナカアイスじゃないと機嫌悪くなるよ。」



機嫌って…ガキじゃあるまいし。



「じゃ、前田はどうする?」


「え…わかんないなぁ。」



確かにあいつが甘味系食ってる所は見た事ないな。


社交界でのパーティーでも手を出していたのは炭水化物系だけだったような。



「花音は何にするつもりなんだ?」


「私?私は…雪見だいふくかなぁ。」


「じゃあ君達2人それね。あたしはガリガリ君。」



問答無用でカゴにアイスをぶち込んでいく。