聖華学園の夏休みは丸々1ヶ月だ。


それまでに出された膨大な量の課題をこなさなくてはいけない。


それにしても、今日は暑い。


大丈夫か地球。



「だ----!!暑いいいい!!!」


「もー、直人うるさい。ほらそこ間違ってる。」


「ていうか花音、お前夏休みの宿題1日で終わらすなんて、どういう体力してんだ?」



「え・・・花音1日で終わらせたの?すっげーー。僕2日かかったよ。」



理解できねぇ・・・という顔をして友香と直人(全国10位&100位)は課題一覧表を眺めた。




数学;参考書(全200ページ)2冊全部。

英語;長文20題

現代社会;何でもいいから小論文を書こう。

現代国語;森鴎外・夏目漱石の文庫全読破。

理科;生物・センター試験問題集丸々1冊。化学・特製反応式プリント(全10枚)暗記。


etc...




「くそ、ツッコミ所が多すぎるっ・・・!!なんなんだよ現社とか!!問題集のページハンパねぇんだよ・・・。」



私たちは夏休みの課題を消費すべく集まっていた。


模試の対策とかもあるから、課題なんてものは夏休み前半でかたずけなくてはいけないのだが、



「何せ問題集のレベルが全部ハイなのが問題だよね。」


「うん。ちょっと難しかったかな。時間かかるよこれ。」


「問題は量だろ量。なんで質が問題になるんだよ。」


「そうだ!ぜってーおかしいってこの量!」


「あ、ほらまた間違ってるよ。そこ。もー馬鹿だなあ。」


「言っておくけど一応俺は全国100位だぞ!」



まったく。成長しないったら。



「あ、花音。」


「なに?悠樹君。どうかした?」


彼はくすっと笑って、言った。