翌朝、私は風邪から全快した。


悠樹君は、心配だからといって泊まっていこうとしたが、Princeの海斗君が突然来て連れていってしまった。




なんかすごい慌てていたけど、熱でボーッとしていた私は彼らの会話まで聞いていられるほどの余裕はなかった。




−「なんかあったら連絡して?はいこれ、ケータイ番号。」−




そう言って置いていったメモが彼が私の看病をしてくれたという事実を実感させた。



今まで風邪ひいても独りで何とかしていたから、なんか心強かったな…



−ブー、ブー−



時代錯誤なブザーがなった。現在約午前10時。


こんな中途半端な時間に誰だろう?


ちょっと期待して玄関のドアを開けてみた。




「花音!」