先に言っておく。俺は当時アイドルだった。女の子に騒がれるのが好きでなったわけじゃない。


日本…いや、世界一の天然ボケな幼馴染みに俺を見て欲しかったからだ。

なのにあいつは、また他の男の世話をやいている。


「おはよーっす!花音。上杉も久し振りじゃん♪」


「あっ直人!今日傘持って来てないのにぃ~。」

「今日は午後からだったのか。」


「まーね♪ってあれ…?君は…?」


むかつくからしらばっくれてやった。まぁ俺の言動からして分かるだろうが奴こと前田悠樹は一応知り合いだ。


「転校生の前田悠樹です。名前ぐらいは知ってるよね…?」


ニコニコと笑いながら奴は言った。というか花音の隣りから離れろ。


「直人。顔が恐いよ。アイドルが台無し~。」


「アイドルだって機嫌悪くなるんですぅ~。まぁ花音みたいなお子様には分かんないだろうけど♪」


「いや、お前のその言動の方がお子様だろ!」


うっ…上杉の言う通りだ。