次の日、昼になってから昨日言われた通り神社へ向かった。


「おーい、久菜ー?
来たよー?」


一番最後の段まで登って、少し声を大きくして呼んでみた。


すると、神社の建物の奥からガサガサと草が揺れる音がした。


「チリーン」


鈴の音と共に久菜の姿が表れる。


「やぁ、リン。
来てくれたんだね」


昨日と同じ格好。


昨日と同じ笑顔。


「だって来てくれって言ったのは久菜でしょ?」


「う~ん、来てくれっていうか、遊びに来てねって言っただけ…」


「…そっ。
じゃあ帰ろうかな」


くるっと体の向きをかえて階段を降りようとした時、焦った様子で久菜が止めに入った。


「ご、ごめん!
来てくれただけで嬉しいから、まだここにいてよ!」


「…しょうがないなぁ」


やれやれとしてみせたものの、内心私は必要とされてるんだと思うと少し嬉しかった。