つい見とれて直立不動になるあたし。


「あの〜…大野さん?」

「あっ!す、すいません……誰ですか?」

「いきなり来たらびっくりするよね、ごめん」


ケラケラ笑いながら、あたしに言った。


「久坂凛耶(クサカリンヤ)。クラスは3組で離れてるけどよろしく」

「よろしくお願いします…」


すると彼は左手に持ってたプリントをあたしに差し出した。



「これ…夏期講習の時の忘れ物じゃない?俺の机ん中入ってたから」

「あ…忘れてた…」


思い出した…

夏期講習の日、さも自分の机かの様にプリント入れたの忘れてたっ!!