神社の近くまで来ると、たくさん浴衣の人達が通る。

太鼓の音とかも聞こえる…。


夏だねぇ〜――……


待ち合わせ場所の神社の石段の所に行くと、既に男の子が一人。

Tシャツにジーンズというカジュアルな格好だけど、

あたしはすぐに誰か分かった。



「優翔くんっ…!」


緊張気味に声を掛けると、優しい笑顔で振り向いてくれる。


「凛菜!」


履き馴れない下駄で駆け寄る。


「まっ、待たせてごめんね!」

「くくっ…予想通り」

「えっ!?」