あたしは自分の膝の上に置いていた右手を、

優翔くんが左手で優しく包む。


「夏祭り楽しみだなぁ…Wデートってやつ?」

「そうだね、あんまり行ったことないから楽しみ」


優翔くんを見てふふっ、っと笑う。

優しい笑顔で笑い返してくれる。



「でも俺は凛菜の浴衣姿が見たい」

「浴衣か…」


そういえば、あたし浴衣って持ってないかも…。


買わなきゃ。


「優翔くんはどんな浴衣好き?色とか…」

「凛菜が着ればどんなのでも似合うよ」


優翔くんは優しすぎるがゆえに、意見を言ってくれないことがある。