今はあたしの膝の上で眠たそうな顔してるけど、保健室から一歩出てしまったら、学校の王子様だもんね。
そんな不釣り合いなあたしと優翔くんが付き合ってることは、まだあまり知られてない。
女の子達に広まったら大変なことになりそうだから、あんまり知られたくない……。
「凛菜、チューしよーぜ」
「うっ、えっ!?ここで?」
「ここで」
優翔くんはあたしの後頭部を手で支え、唇が重なるようにする。
この形…
あたしから優翔くんにキスしてるみたいじゃん!
唇が重なるまで、あと1cm……
ガチャ――……
保健室の重たいドアが開く音がした。