「ねぇ、栞里…?」

「どうしたの?凛菜」

「もうそろそろ始まるんじゃない?」


あたしと栞里は調理室を借りて、グラスの山を洗っていた。

壁に掛けてある時計を気にしながら。



「制服に着替える時間とかあるかな?」

「もう良いんじゃん、メイド服でも」

「マ、マジで!?」


栞里はニコッっと笑って言う。

メイド服のままとか、めっちゃ目立つしっ!!



「じゃっ!凛菜!行こっか」

「え…でもグラスがまだ…」

「あとで、あとで!行くよ!」

「ち、ちょっと…!」


栞里はあたしの腕をグーッと引っ張って調理室を後にした…。