辻村くんが気にしてないならわざわざ謝ることもないのかな、なんて思ったけど。
でも、やっぱりもやもやするので、どうにか教室の外に出てもらった。
廊下に出てもがやがやと人が多く、気のせいか周りの視線も感じたので、人のいない奥の階段まで辻村くんを引っ張ってくる。
「何?」
面倒くさい、と思っているのがはっきりわかるような声色で辻村くんはそう言って私を見る。
……本当に、いつもどおりだ。
「昨日は、ありがとう」
「あぁ」
「あと、変な態度とってごめんなさい」
言って、私は頭を下げた。
顔を上げると、辻村くんは驚いたように私を見ている。
そして、やがて、ふっと息を吐いた。
……小さな、笑いと共に。


