バタンッ、と大きな音を立てて閉まったドア。 おかえりー、とキッチンの方から母の声が聞こえる。 「ただいま」 私は一度キッチンの母にそう言って、自分の部屋へ向かった。 部屋に入ると、制服を着替える気にもなれずに、ずるずるとドアに背を付けたまま、座り込む。 ……私、どうしたの? せっかく、勉強教えてもらって。 あの、辻村くんが、送ってくれて。 しかも、心配まで、してくれたのに。 感じ悪いよね、こんなの。 辻村くんのこと、振りきるようにして家に入っちゃったし……。