送る!? だって、別に部活だってこのくらいの時間になるし……! 私の言わんとしていることが伝わったのか、辻村くんは、「仕方ねぇだろ」と言う。 仕方ないって、何が! 「そうしなきゃ母親がうるさいんだよ」 「え」 「前もそうだったから」 さらっとそう言って、辻村くんは私の前を歩き出した。 ……前、も……? 「何突っ立ってんだよ。さっさと行くぞ」 「……あ、うん、ごめん」 バサッ、と傘を広げた。 朝から降り続く雨は、一向にやむ気配を見せない。