「……本当?」 「嘘吐いてどうすんだよ」 「……じゃあ、お願いします」 「ん」 玄関で靴を履いて、「お邪魔しました」というと、リビングからパタパタと辻村くんのお母さんが出てきて、「また来てね」と笑顔で見送ってくれた。 私が玄関を出ると、隣には辻村くんが。 「……え、どうしたの?コンビニとか?」 訊くと、「はぁ?」と呆れた顔をされた。 「送るから」 「…………は!?」 理解するのにたっぷり時間を掛けて、私は素っ頓狂な声をあげていた。