「……じゃあ、今日はこれくらいにするか」
午後7時過ぎ。
パタン、と教科書を閉じて辻村くんはそう言った。
私も、自分の道具を鞄に片付ける。
「ううー、疲れたー。ありがとうね!なんか、どこ覚えればいいのかなんとなく掴めた気がする!」
「明日までに今日言ったところ全部覚えて来いよ」
「へ」
よいしょ、と鞄を持って立ち上がった私は、辻村くんの言葉で思わず動作を止めた。
「明日も見てやるから」
なぜか辻村くんも立ち上がりながらそう言う。
「え!?悪いよさすがに!だって辻村くんも自分の勉強あるでしょ!?」


