「辻村くんってさ」 「……何」 日本史の授業が終わった後、次の数学の道具を準備しながら、私は後ろの辻村くんに話しかけた。 普段、教室ではあまり話さないからか、少しだけ間をおいて言葉が返ってくる。 「日本史、得意なの?」 「別に」 「ふーん……。そっか」 「なんで?」 「私苦手だから、得意なら勉強法とか教えてもらおうと思ったんだけど」 「いいけど」 「うん……、って、え!?」 い、今、なんと!?