マネージャーの仕事は、ただの雑用なんかじゃなくて。 チームの皆が思いっきりサッカーをできる場所をつくること。 私は、そう思ってるから。 「……まさか、長谷川がこんな夢語る子ちゃんになってるとはな。昔はあんなに隅っ子だったのに」 「うるさいなーっ!」 隅っ子って何!! 憤慨する私に、辻村くんはまた小さく笑って。 ポン、と私の頭に軽く掌をのせて、「期待しないで待っとくわ」というと、自転車をこぎ始めた。 「また明日ね!」 と、遠ざかる後ろ姿に声を掛けると、「おー」と気のない声が返ってくる。