「なんだよ、その顔。褒められたから礼言っただけだろ」
「あ、そか……」
そうなのか?
「あ、あのね!……私、ずっと言おうと思ってたんだけど」
「まだなんかあんの」
「いや、サッカー上手いね、っていうだけで呼び出すわけないでしょ」
いやいやいや、と顔の前で手を振った私に、それもそうか、と、辻村くんは小さく笑った。
「笑っ…!?」
笑った!?
「……何だよ」
唖然とした私に、辻村くんは再び不機嫌そうな顔に戻ってしまった。
「つ、辻村くんて、笑うの!?」
「……長谷川ってそんな失礼なやつだったっけ?」
「だ、だって!!」


