「あー、あはは。そうなんだけどね」 もう少し皆を頼ったらいいんじゃない。 どうして壁を作ろうとするの。 ────本当は、そう言おうと思ってたんだけど。 なんだか、本人を前にするとすごく言いづらいっていうか。 かなりおせっかいなことしようとしてるって分かってるからこそ、なかなか言えないっていうか。 「……用がないなら、俺先に帰るけど」 「え!?ま、待って待って。分かった、話すから!」 今にも自転車に跨りそうな辻村くんに、私は焦ってストップをかける。 「あ、あのね」