「じゃあ一緒に帰る!!」
歩きながら話そうと思って、私は意気込んだ。
「……好きにすれば」
はぁ、と溜息混じりの辻村くん。
私は歩いて高校まで来てるけど、辻村くんは自転車通学だった。
だから、悪いとは思ったけど、自転車は押してもらう。
家から高校までは、歩いて20分といったところ。
もう日は沈もうとしていて、道端の街灯の明かりもぽつぽつと存在感を示し始めている。
「……」
「……何か話あったんじゃねぇのかよ」
何も話さない私にしびれを切らしたのか、辻村くんがイラついたようにそう言った。
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