「おい、何だよ」 ぺいっと私の手を振り払って、辻村くんは迷惑がっているのを隠しもせずに言う。 ちょっと、そんな嫌そうな顔しなくてもいいじゃん。 「ちょっと話があるんだけど」 「は?」 「とにかくさ、少し時間ちょうだい。辻村くん、家どっち?」 怪訝そうな表情をしていることはまるっと無視。 「俺はあんたに話なんかないんだけど」 「私はあるの!で!どっち!」 私の気迫に諦めたのか、辻村くんは「前と変わってねぇよ」と言った。 え、小学生の時と一緒? それって私とめっちゃ近所ってこと?