「お疲れ様でしたー」
今日の練習が終わり、部室で着替えを終えてから皆ぞろぞろと帰って行く。
「あ、ちょっと待って」
その波に少し遅れるようにして部室を出ようとした辻村くんを、私は慌てて呼びとめた。
不機嫌そうな顔で部室のドアの手前で振り返った辻村くんに、私も荷物を持って駆け寄る。
「私も行く!お疲れ様でした!朱音ちゃん鍵よろしく!」
まだ部室に残っていた部員に挨拶をして、私はぐいっと辻村くんの腕を掴んで歩き出した。
「了解ですっ!お疲れ様でした!」
という元気な朱音ちゃんの声を背中に受けて。
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