「さっき着いたとこだよ。家に荷物置いて、そのまま来た」
「うわー、3か月ぶり?」
わいわい、と楽しげな輪。
その輪の外で、辻村くんと1年生だけが何ごとか分かっていないように戸惑ったような表情をしていた。
「美祈先輩?あの人は……?」
同じく事態を把握できていない朱音ちゃんが、私に首を傾げてそう訊いてきた。
「あ、そっか。1年生は知らないんだよね。うち、部長とキャプテン別だから。……あれは3年でうちのキャプテンの坂上一紀先輩。春休みからカナダに短期留学してたんだけど。帰って来たんだね」
「そうなんですか!」
朱音ちゃんは納得したように頷いて、タタッと皆の輪に混ざっていった。
坂上先輩に挨拶するつもりなのだろう。


