やがて担任がいつもどおり出欠をとり、連絡事項を話して教室を出ていく。 1限の準備をしつつ、皆の視線はちらちらと辻村君をとらえていた。 そりゃそうだ。 現在、桜も葉桜に変わり始めた4月も下旬。 季節はずれの転校生ってだけでも注目される。 それに加えてこれだけカッコよかったら、注目の的どころか、凝視ものだ。 ……ていうか、辻村真二ってどっかで聞いたことあるんだよね。 誰だっけ? うーん……。 私は机の中からごそごそと1限の英語の道具を取り出しつつ、ひとり首を傾げていた。 「なぁ」