「あんただって分かってるでしょ。藤桜にあんたのチームが勝てたのは、100回に1回の奇跡がたまたま大会にあたったってだけだ。あんなの、もう無いよ」
うちにとっては100回に1回の不運、かな。
そう言って佐竹くんは笑う。
「……」
そりゃあ。
実力からいったらそうだろうけど、仮にも負けてるんだからもうちょっと言い方ってものがあるんじゃないの?
「簡単にレギュラーになれるような場所に逃げたんだって思って、すごいムカついたけど。
……今日さ、さっきのミニゲーム、真二と同じチームでさ」
「うん」
知ってるよ。
見てたもん。
「……アイツ、なんて言ったと思う?」
「え?」
何か会話があったの?
ピッチの外からだと全然わからなかった。


