そう言うと、佐竹くんはゆっくりピッチに視線を向けた。 行ったり来たりのボールの行方を、ぼんやり眺める。 「……あんた、ホントにストレートだよね」 「え」 「そんなまっすぐなとこ、アイツに似ててちょっとムカつく」 アイツ、が辻村くんを指してるのは視線で分かった。 「……真二は藤桜から逃げたって、本気で思ってたよ、今日まで」 「……今日?」 それは、大会で感じることじゃないの? そう思って思わず首を傾げた。