「長谷川、仕事!怪我人!」
「あ、はいっ!……って、佐竹くん!?」
マネージャーをまとめてくれてる女コーチ、高野コーチに声を掛けられ振り向けば、プレーの最中に他の選手と接触があったらしく微かに表情を歪めた佐竹くんが歩いて来るところだった。
「なんだ、あんたたち知り合い?」
高野コーチの言葉に、私は曖昧に笑った。
知り合いは知り合いだけど、和やかな関係ではない。
じゃあまかせたね、と言い残して高野コーチが私たちのもとを去っていく。
気まずい空気が流れたけど、沈黙を破ったのは佐竹くんの方だった。
「手当てするなら早くしてくんない?」
ドカッとベンチに座って偉そうな佐竹くん。
なんか癇に障るけど、まぁここは我慢しよう。
私は救急セットからテーピングに必要なものを取り出した。
怪我をした足首を見ると、腫れはそこまでひどいものではなかったので、無理さえしなければ練習に支障はなさそうだ。


